ノルウェーでのもう一つの目的とは…

木村さんにはこの旅で、もうひとつ、ある目的がありました。それは、自らの被爆体験を世界に発信すること。語り部の相手は2017年にノーベル平和賞を受賞した「ICAN」の元事務局長や、SNSで核廃絶などを訴えている海外のインフルエンサーたちです。

語り部を務める木村さん:
「初めのころは、あの原爆を落としたアメリカの人たちを、本当にとても憎んでいた」

広島市に生まれた木村さんは1945年8月6日、原爆により8歳のときに被爆。

父や祖父ら8人の家族、親戚を亡くしました。祖父を看病した記憶は今も脳裏に焼き付いています。

語り部の木村さん:
「膿がだらだらと流れてきて、臭いところにハエがたかってウジ虫がわく。その看病の中で、この祖父が『早く死んでくれれば良い』と私は思ってしまった」

悲惨な戦争体験をまっすぐに語り続けてきました。