東日本大震災で宮城県の七十七銀行女川支店の行員だった長男を亡くした夫婦が、津波の恐ろしさや自身の活動をまとめた絵本を制作し24日、女川町に寄贈しました。
絵本を寄贈したのは、田村孝行さん、弘美さん夫婦で、24日は、女川町の須田善明町長のもとを訪れ、5冊を手渡しました。

田村さん夫婦は13年前の震災で七十七銀行女川支店に勤めていた長男の健太さんを亡くしました。絵本には健太さんの半生や津波の恐ろしさ、田村さん夫婦が続けている語り部など、防災活動の取り組みが描かれています。絵本は、およそ5年の年月をかけ3月、完成しました。

田村弘美さん:
「息子の生きた証を次の世代に残して、命の大切さを感じてもらいたい。子供達には自分の命がもし無くなってしまったら、周りの人たちはこんなに悲しむんだ、つらい思いをするんだということを感じてほしい」
田村孝行さん:
「お父さんお母さんに読み聞かせをしていただいたり、学級会でみんなで読んだりしていただきたい」

寄贈された5冊について女川町は、町内の小中学校や図書室に置くということです。

須田善明女川町長:
「学校の図書室や町の図書室で、様々な皆さんにご覧いただけたらと思っています」

田村さん夫婦は、今後健太さんの母校である古川高校に加え支援者を通じて全国の学校や読み聞かせ団体などにも絵本を届けるということです。