求心力高く有望、静岡市への可能性を分析

「人口50万人以上を有するエリアであれば、すでに競合する総合スーパーが数多く立地しています。日本上陸当初、経済アナリストからは『販売商品群が重なり、他の外資スーパー同様、コストコも苦戦する』といった前評判がありましたが、点数を絞った大容量商品、会員制による囲い込み、アメリカらしい非日常感あふれる店内などの差別化策によって顧客獲得に成功しています」と同社の戦略を分析する満山さん。
さらにこれまでの店舗の立地をみてもショッピングモールが好んで進出する中心市街地から離れ、高速道のインターチェンジ近くなど交通の要所を選ぶなど、適切に商圏人口や将来的な交通環境の整備を捉え、行政の都市計画に応えるように出店している、と解説します。
それでは“求心力の高い単独自治体”として静岡市は、次の出店エリアに選ばれる可能性はあるのでしょうか。前出の出店条件の中には「敷地面積1万坪以上(ガスステーション用敷地を含む)」があります。つまり、サッカーコート約4面分の土地の確保ができなければどれだけ経済環境が整っていても施設は建たないのです。
満山さんは「過去の事例をみると、工場等の跡地や建築規制が緩い地域、いわゆる『白地地域』や市街化調整区域に立地するケースが多いようです。こうした地域に大型施設が出店するには行政との協力、支援が必須」と企業単独での出店は難しいと話します。特に静岡市は平地が少なく人口密度が高いので「まとまった土地」が出にくい地域。行政が積極的に土地確保に動く必要がありそうです。