避難所生活の落とし穴をゲームで体験
近年、避難所運営の課題が浮き彫りになっています。「トイレ」や「性」といったデリケート近かつ避けては通れない事柄です。これらは「女性の立場からの意見が生かされにくい」という運営体制が原因で起こっています。
そこで静岡県が開発した避難所運営ゲーム「HUG(ハグ)※」の本県版に私たちのNPO会員が考えた九つのシチュエーションを入れた「あざれあカード」を追加しました。「DV被害で逃げてきた女性が名簿への掲載を拒否している」「女子中学生が知らない男に抱きつかれたと怖がっている」「性別欄の記入をしてくれない」などは、男性中心の運営体制では手に負えないはずです。避難所で実際に発生して、対応に苦慮した事柄ばかりですから。

女性の立場からの運営が望まれています

「がまんしろ論」が円滑な運営を台無しに
シチュエーションはまだまだあります。「緊急事態だからがまんしろ」という乱暴な論法は避難所の円滑な運営につながらないという事を認識してもらうのが狙いです。じゃあどうしたらいいのか。対話を重ね、男性は、女性も責任者として受け入れ、自分たちの考えを押し付けない、女性は、男性任せにせずに積極的に関わってリーダーを務める―。これって防災に限らず、真の男女共同参画社会の実現に欠かせない根源的な考えでもあるんです。

※HUG…避難者の状態・事情が書かれたカードを、避難所に見立てた平面図に適切に配置し、次々投げかけられるシチュエーションへの対応を模擬体験するゲーム。

防災ポイント:避難所運営編

避難所運営をする時は、本部に必ず女性を登用
男性だけの運営本部では女性ならではの要望をくみ取りきれないからです。

間仕切り、授乳室・洗濯干し場など設置してプライバシーを守ろう
異性の視線を気にせずに作業ができる場所が必要です。

避難所に人気のない場所、暗闇を作らないように!
性に関係する犯罪は表面化しにくいもの。
未然に防ぐ工夫を。