妻に対して、にらみつけて声を荒らげて

Q. 川崎幼稚園や榛原学園に対する怒りというのは具体的にはどういったことですか?
当初は、事件翌日に自宅に関係者が来て、その後もずっと面談を続けてきたんですけれども、「園を廃園にする」と主要な管理職の方々、そういった方々が辞職するとわたしたちの前で約束したのに、その約束を反故にされたとして、面談を続ける中で、例えば、わたしたちに対して、あぐらをかきながら、誠意ある対応をされなかったり、妻に対して、にらみつけて声を荒らげて、受け答えをしたりとか、また、自分たち遺族に直接「いま、気晴らしに友人と出かけている」といってきたりとか、ちょっと信じられない対応をされている部分があるので、そこに関して、怒りとかそういったものは事件当初よりもさらに強くなっています。

事件後、わずか1か月でこども園は再開 いまも多くの園児が通う


Q.事件から1か月後に園が再開し、いまだ子どもたちが通っている現状についてはどのように評価していますか?
再園(※注=「園が再開」の意味)した後に、例えば、2021年の倉掛冬生くんの同じような置き去り事件で、厚生労働省から全国の幼稚園、保育園に通知が行ったんですけれども、その通知の内容をまったく再園後も知らなかったり、それで再園できている。

登園アプリの使用方法も、給食とおやつを頼む、ただのアプリツールに成り下がっているとか、あとはダブルチェック、トリプルチェックをやるとかっていう話もあったんですけれども、その方法もいまは少し変わっているようなんですけれども、具体的には話してくれなかったんですけど、そういったところに関して、本当に再園していいのかなと。在園児に関しては、あの近くに幼稚園、保育園がなければ困るという声ももちろんわかるんですけれども、榛原学園が運営する必要があるのかと、そこに関しては疑問がいまだに残っています。



Q.民事裁判についてはいま、どのように考えていらっしゃる?
民事に関してはもちろん行っていきますけども、具体的な誰を相手取ったりとか、というのは、刑事裁判もまだ終わっていませんので、しっかりと確定した後に進めていきたいと思っています。

Q.あらためていま、感じる千奈ちゃんへの想いというのを教えてください
事件当初は、やはりこう現実を受け止められないということがあったんですけれども、日数が経つにつれて、嫌でも生活をしていかなければならないと、そういった時に、やっぱり娘の千奈の存在っていうのは本当に大きかったんだなと。

何をするにも、例えばこう、幸せとか、楽しいっていうことが、いままでは本当に当たり前すぎて、実感できないことがあったんですけれども、それが本当に事件後、千奈が亡くなってからあらためて実感することが本当に多くなっています。いまでも、わたしたちの次女もそうですけど、家族の主役の1人だと思っています。



Q.この1年を振り返って短く感じましたか?長く感じましたか?
ものすごく長く感じました。いままでの人生の中で1番長かったです。