静岡県の川勝知事が5月26日、リニア新幹線沿線の知事や国会議員が集まる会合で「工事の中止」と「ルート変更」を主張しました。結論ありきともとれる知事の発言には流域の市長から戸惑いの声も聞こえてきます。

 26日にリモート形式で開かれた自民党の特別委員会。リニア新幹線が通る沿線の10都府県の知事らが集まったこの会合で川勝知事が伝えたのは…。
<川勝平太知事>「(住民の)理解が得られているとは到底思えない理由を7つ挙げました。工事の中止と南アルプスルートを変更する、元のルートに戻すという発言を3分程した」
 川勝知事は南アルプストンネル工事は大井川の流量と水質、生態系への悪影響を及ぼし、ルート選定の経緯にも疑義があるなどと問題点を指摘。流域住民の理解は得られておらず、工事を中止してルート変更すべきと主張したといいます。
<川勝平太知事>「(Q.ルートを元に戻す、工事中止という発言の後、委員長らの反応は?)『あー出た』という感じでしたね。面白かったですよ」
 一方で、他の知事らからは早期開通を望む声が相次いだということで、あらためて静岡県との温度差が鮮明となりました。
<島田市 染谷絹代市長>「公の席で仰ったんですよね?ということは静岡県の結論がここにあるという風になってしまったのかなぁと思った」
 知事の発言を驚きをもって受け止めたのは大井川流域の島田市の染谷市長です。リニア工事の着工判断をめぐっては、県の専門部会で検討が続いている段階です。
<島田市 染谷絹代市長>「専門部会の議論はまだこれから。その前に核心をつく結論に至ってしまったような気がして驚いた。私たちにとって大事なのは大井川の水を守ること。最優先だし、唯一の私たちの願い」
 会合では自民党議員の質問は川勝知事だけに集中したといいます。
<川勝平太知事>「何人かの方が『これは国策だ!国策だ』と仰っていた。一方で、これはいち民間会社がやっていることなので、かっこ付きの国策という理解をしている。静岡県民の命とか産業とかを犠牲にしてできるものじゃないでしょ。ですから、事情は常に言いますよ」
 結論ありきともとれる知事の発言に対し、委員会は静岡県以外の9都府県が参加する「リニア新幹線建設促進期成同盟会」への入会を勧め、川勝知事は同意したということです。