5月16日の静岡県内の新型コロナウイルスの感染者は471人とわかりました。前の週の同じ曜日と比べ、2日連続の減少です。

この長引くコロナ禍で保護者にとっての悩みの一つが子どもとマスクの付き合い方ではないでしょうか?子どもにマスクが必要か?子育ての現場ではいまも模索しながらの対応が続けられています。

静岡市駿河区の「だきしめこども園」で年長の子どもたちが楽しんでいたのは椅子取りゲーム。子どもたちが興奮して声を出し、取り組む室内のゲームではマスクの着用が欠かせません。

<だきしめこども園 原歩加さん>
「だいぶ慣れてきたかと思います。活動するごとにマスクをしてくれるようになった」

マスクを巡ってはいま、その是非を巡って議論が交わされています。

<岸田文雄総理>
「できる限り行動制限をせずに社会経済活動を回していきたいが、今の段階でマスクの緩和は現実的ではない」

政府のトップ、岸田総理は子どもを含めたマスクの重要性を改めて強調しています。一方、県の学童保育連絡協議会はマスクの着用が子どもたちにストレスをかけ成長を妨げるなどと指摘しています。

子どもたちが近距離で遊んで学ぶこども園。マスクのつけ方は学年ごとに変えています。

<寺坂元貴記者>
「こちら年長のクラスでは全員がちゃんとマスクをしています。一方で年少の教室では、みんなマスクを外しています」

こちらのこども園では年長と年中は室内で必ずマスクをつけるように指導。一方で、年少以下の子どもは保護者の考えに任せているということです。

<だきしめこども園 小林かおり園長>
「年長・年中になると担任の話を聞いて、なぜマスクをするのかが理解できて、自分たちで気を付けるようになる。年少はマスクの管理や意味を理解するのが難しいので保護者の判断にしている」

取材で驚かされたのは、子どもたちのマスクへの理解の深さです。給食の時間、あいさつの後、持参したマスクケースにマスクを入れると…。黙食です。マスクをしないときは声を出してはいけないというルールがきちんと身についているのです。子どもたちのマスク着用のルールについては小児科医だった県の後藤参事も見直しの必要性に言及しています。

<県健康福祉部 後藤幹生参事>
「言語の獲得や喜怒哀楽など感情の発達にも重要な年代なので、マスクを外すメリットがある」

様々な意見が飛び交う子どものマスク問題。実際に子どもを預かる現場では一定の方向性を示してほしいというのが実情です。

<だきしめこども園 小林かおり園長>
「園独自の考え方でいいよと言われると、そこは不安はあるので、ある程度の線引きやラインを作って、その先は園ごとに考えればいいいよと」
 
スタジオには取材にあたった寺坂記者です。

<寺坂元貴記者>
「コロナ禍になって2年以上が経ちますが、すでに子どもたちにもコロナ禍のルールが定着しているという印象です。さきほどのVTRで子どもたちは黙食をしていましたが、休憩時間の水分補給でもマスクを外しているときに子どもは喋らなかったんです。これはマスクの意義を子どもなりに理解している証拠で、これが自然なんだなとそんな感じを受け取りました」

子どもたちのマスクを外してもいいとの意見が上がっているそうですが、それでも大丈夫なんでしょうか?

<寺坂元貴記者>
「こちらは県の調査した年代別の感染者数のグラフです。年明けの第6波の状況なんですが、最初に感染が増えたのが10~20代なんです。これまでの感染拡大期では変異株を持ち込むのは若くて行動的な人たちとの調査結果が出ています。まずは、この世代がワクチンの3回目接種をして感染を抑えるべきだというのが県の考え方です」

「さらに気になるのがコミュニケーションの発達への影響です。子どもは口元で喜怒哀楽を読み取る=口元で発達を学ぶので、マスクがそれを妨げる恐れがあるんです。このため、後藤参事は家ではマスクを外して本の読み聞かせなどをしてほしいと話しています。マスクは感染防止に役に立つことは間違いありません。ただ、長引くコロナ禍で得た知識を駆使してその付き合い方を改めて見直す段階に来ていると感じました」