静岡につなげてくれてありがとう

「訓練やった後、釜石の方が、涙を流しながら『釜石のことを次起こり得る静岡で、つなげてくれてありがとう』って言ってくれた」

多くの子どもたちの命を守った、釜石の下校時避難訓練。その教訓を広めていくことに一番喜んでくれたのは、釜石の人たちだった。

「頑張ってきてよかったなって感じました」

千浜小学校の下校時避難訓練は、いまも続けられ、中川さんはアドバイザー的な立場で関わりを続けている。

釜石での学びそして絆を胸に、再び教職へ

3月11日を間近に控え、授業で東日本大震災について話をする中川さん

「現場に戻って防災の大切さを教育現場から発信していきたいって思いがありましたので、静岡に帰ってきました」

千浜小学校で下校時防災訓練の実施が実現した翌年の2020年、研究を続けるなど、さまざまな選択肢があった中で、中川さんは教職に復帰することを決意する。

静岡県では、最大で10万人以上が犠牲となると想定されている南海トラフ巨大地震、釜石で学んだことを静岡で子どもたちを守るのに生かしたいとの想いが、研究を続けようという気持ちを勝った。