テレビでの「開戦宣言」に握ったこぶし 陥った“意外な心境”

テレビで告げられた“開戦”

「我が国アメリカは、今からアフガニスタンを攻撃します」アメリカの3大テレビネットワークのひとつCBSの記者が、いち早くテレビで“開戦”を告げた。

2001年9月11日の同時多発テロから26日目のことである。「テロとの戦い」の開始にわきたつアメリカ国民。驚いたことにニューヨーク特派員でアメリカ人ではない私も、その瞬間に思わずガッツポーズをしていた。

戦争反対、平和主義―自分はリベラルだと思っていた。自分の握りしめた右こぶしをしげしげと見た。空恐ろしい。戦争は悲惨さのなかではなく、高揚感のなかで始まることを知った。

1970年代に「戦争を知らない子供たち」というフォークソングが日本でヒットした。ベトナム戦争の反戦歌とされる。当時は、悲惨な第二次世界大戦を思い知った世代と実体験のない世代が相半ばした時代だった。それから半世紀余りが経った今、私を含めて日本人のほとんどに戦争体験はない。

しかし、ニューヨーク特派員として戦争の断片に直面することとなった。