新図書館の建設計画は白紙

「まちのミュージアム」をコンセプトに、42億円の建設費を投じ、新たにカフェなどを設置し、2028年度のオープンを目指し計画を進めてきました。

しかし、5月の市長選で新図書館の建設反対を訴えた新人候補が当選。
市がこれまで進めてきた計画はストップし、新図書館の建設計画は白紙に戻りました。

図書館を今後どうしていくのか。市民の意見もさまざまです。

<市民>
「後々のこと考えたら、思い切ってお金をかけて、ずっと後まで『この建物あの時決断して良かったね、中身もすごく充実しているから』と代々誇れるような図書館にしてほしい」
<市民>
「私の考えはあまり図書館は利用していないので(お金を)これ以上の使う所があるかな。例えば学校だとか病院だとか、そういうところは全然図書館より重要かな」
<市民>
「難しいですよね。お金のこともあるんでしょうから(機能との)バランスは大事ですよね」

揺れる図書館問題。市の担当者は新図書館をめぐる議論の長期化に懸念を示します。

<伊東市教育委員会 生涯学習課 山下匡弘課長>
「新図書館建設をゼロベースで今後また始めるとするならば、少なくとも着工まではやはり5年は必要。本を揃えるとか準備などもありますので、その辺を考えると10年ぐらいが実際オープンまでにはかかってくるんじゃないかなと思う」

現図書館の改修か、新図書館の建設か。新市長には未来を見据えた判断が求められます。

【「図書館問題」についての各候補の主張】

今回、SBSを含む地元報道機関と伊東記者クラブは立候補者にアンケートを実施し、9人全員から回答を得ました。「図書館問題」についての各候補の主張です。

<新人・利岡正基候補>
「市民の声を基に機能を再設計する。1ヵ所にこだわらず、複数配置も検討」

<新人・石島明美候補>
「図書館は市民の居場所。国の補助金を積極的に活用して建設を目指す」

<元職・小野達也候補>
「市民の意見を徹底的に反映させ、ゼロベースから計画を再考する」

<新人・岩渕完二候補>
「地元企業と市民とで計画を作り3ヵ月を目途として完成早期に着工する」

<新人・黒坪則之候補>
「メインの図書館は市役所庁舎内へ。サブのスペースを伊東駅や伊豆高原駅近くに用意」

<新人・杉本憲也候補>
「現建物の耐震性問題等を踏まえ、市民と必要性含め計画すべてを見直していく」

<前職・田久保真紀候補>
「今やるべきは新しい図書館ではない。市内全域に本が行き渡る仕組み作りなどを進める」

<新人・大野恭弘候補>
「商店街の近くに建設することにより、幾分かの人通りを増やす効果があると考える」

<新人・鈴木奈々子候補>
「旧図書館の長寿化をはかり、40億円のコストは観光業の促進などで有効に活用すべき」