台風15号に伴う竜巻被害を受けた静岡県牧之原市への自衛隊の派遣が行われず、県と自衛隊の見解に齟齬が生じたことを巡り、県の危機管理監が対応を謝罪しました。

県と自衛隊で派遣の要件に該当しないと認識が一致して派遣要請を見送ったと改めて説明しました。

<静岡県 危機管理部 酒井浩行危機管理監>
「調整の中で、県から自衛隊に対して、今回の事案については『非代替性』に欠けると述べていたことが判明しました。大変申し訳ありませんでした」

県は、被災直後に牧之原市からの要請を受け、災害廃棄物の除去や入浴支援などについて自衛隊に災害派遣を打診しました。

<鈴木康友静岡県知事>※9月30日の記者会見
「自衛隊としては、今回の案件については、派遣の要件を満たさないということで、派遣しないという方針でした」

自衛隊の災害派遣は緊急性、公共性、非代替性の3つの要件を総合的に判断して決まりますが、今回は要件を満たさず、「派遣しない方針」だったなどと説明しました。一方、自衛隊を管轄する防衛省の中谷防衛大臣は。

<中谷元防衛大臣>
「自衛隊と県との間で、災害派遣の可能性も含めて緊密な連携をとるという中で、県が確認をした被害状況を踏まえて、自治体等により対応が可能という認識が静岡県との間で共有をされて、そして、要請がされなかった」

中谷防衛大臣は自衛隊と県の間で自治体での対応が可能と認識共有がされたと強調しました。

県は10月3日、自衛隊との意見交換の中で要件の「非代替性」に欠けるということで認識は一致していたが、内部の情報共有や説明が不十分だったと釈明しました。

<酒井危機管理監>
「我々の組織の中での意思疎通がしっかりできていなかったということは反省して、今後こういうことがないよう対応していきたい」

県と自衛隊の見解に齟齬が生じる状況に、被災地の首長は。

<牧之原市 杉本基久雄市長>
「県と自衛隊とのやり取りで、齟齬があるのは、少しどうなのと思う。やっぱり現地をみた上で判断を下さないと、逆に後からでは取り返しがつかないことになりかねない」