2025年9月5日に静岡県牧之原市から吉田町にかけて発生した竜巻の被害から9月10日で5日。復旧作業が進む一方、新たな課題も出てきています。一方、被害の大きかった農業への支援を、農家たちが小泉農水大臣に要望しました。

静岡県牧之原市で9月5日に発生した竜巻は、1100棟以上の住宅に被害を及ぼしました。発災から5日経った9月10日も住民やボランティアによる片付け作業が続いています。

<社会部 荻野旦記者>
「牧之原インター近くの仮設ごみ置き場ですが、住民らによって続々とごみが運び込まれています」

8日から設置された、約5000平方メートルの仮設のごみ置き場には、朝から多くの住民が、使用できなくなった家具などを運び込んでいました。

発災直後に設置されたごみ置き場が、7日には受け入れ容量に達したため新たに設置されましたが、この場所にも課題が出てきています。

<住民>
Q.時間はどれくらいかかりましたか?
「(車で)20分くらい。近くの方はあまり回収してくれなくなったので」

被害の大きい細江地区から、新たな仮設のゴミ置き場までは約9キロ。以前と比べ3倍近くの距離があります。

<住民>
「よその家もがれきなどを出し切れていないので、色々な場所で回収できるようにしてもらえたら助かる」

市によりますと、こちらのゴミ置き場も容量がいっぱいになる勢いだということで、住民がより利用しやすい場所への新設を考えているということです。

<国民民主党 榛葉賀津也 参院議員>
「きのう現地を見てきました。若い農家、これから頑張ろうという時の人たちの話を聞いてほしい」

早急な政府の支援を求めるため、国民民主党の榛葉賀津也参議院議員と田中健衆議院議員は、急きょ、被害に遭った農家らとともに小泉進次郎農林水産大臣を訪問しました。

牧之原市では農業用ハウスだけで約11億5000万円の被害が報告されています。駆けつけた農家5人がそれぞれの切実な状況を訴えました。

<ガーベラ農家の男性>
「これから植えるはずだった3万本近くの苗の植える先がなくなった」

小泉大臣は、農家の置かれた現状を直ちに石破総理に伝えると約束しました。

<小泉進次郎農林水産大臣>
「政府全体を挙げてご支援したい。過去最大級の竜巻ということで、石破総理と話し、みなさんの声を届けたい」

<榛葉議員>
「残念ながら国会が開かれていない。これでは被災者たちの不安と不満がたまる。政治は続いているんだから。住むところもないんだから。野党として政府の支援策を支えていく」

一日でも早い被災者の生活立て直しに向け、政府の素早い決断が求められています。

一方、県議会の最大会派・自民改革会議は10日、鈴木康友静岡県知事に、台風15号の被害への早期対応を求める緊急要請をしました。

<自民改革会議 鈴木澄美代表>
「被災された皆さんの健康状態、長期にわたって復興まで時間がかかる中での対応について十分配慮いただきたい」

<鈴木康友知事>
「この時期ですので、さらに熱中症などのリスクが高まる可能性があるので注視していかないといけない」

県は、熱中症対策として保健師を被災地に派遣し、巡回などを行っています。