約30年前にオープンした静岡県富士市のマリンプールの存続が危ぶまれています。夏休みの子どもたちに人気の施設の存続を求めて、8月20日に地元の住民らが富士市長に要望書を提出しました。

20日も多くの子どもたちでにぎわった静岡県富士市のマリンプール。富士市内はもちろん市外からも人気の施設ですが、いま廃止か、存続かの岐路に立たされています。

<元吉原地区まちづくり協議会 野田純生会長>
「富士市民の憩いの場であり続けた富士マリンプールを今後も末永く市民が利用できるよう来年度以降も必要な予算を計上していただきたい」

20日、元吉原地区の住民代表が小長井市長に手渡したのは、マリンプールの存続を願う要望書と住民の署名です。

1996年に富士市にオープンした砂山公園プール。「富士マリンプール」の愛称で親しまれ、県東部を代表する夏の人気レジャー施設です。しかし…。

<富士支局 杉村直美記者>
「こちらのスライダーは塩害と老朽化のため、今は使用禁止となっています」

オープンから29年。遊具の一部と施設の中には、撤去が必要な箇所も目立ち改修には3億8000万円の費用が必要と見込まれています。人件費や物価高騰のあおりを受けて赤字に陥った上、運営の在り方が定まらず、2026年度以降の運営は「白紙状態」です。

<利用者>
「もし来年なくなっちゃうなら残念。安い料金だったのでもう少し値段を上げてどうにかならないかな」

<富士市民>
「こんな楽しい施設がなくなっちゃうとせつないのでこのまま続けてほしいと思います」

「存続」を要望する地元住民は。

<野田会長>
「ばしゃんという音とともに子どもたちの歓声があがってくる。そういうことが地域にとって明るい希望になる」

<富士市 小長井義正市長>
「このまま公共施設として市が運営をすることで継続をしていくのか、場合によっては廃止も含めてまた新たな地域振興のための施設へと変えていくのか、いろいろと幅広く検討しなければならないだろう」

静岡県富士市は2025年9月、市民にアンケートを実施し、その結果も踏まえて、2026年4月までに今後の方針を決める予定です。