4月からは大学院へ進学 防災を学びつつ“命を守る種をまきたい”

「“未災地”と被災地、それから被災地と被災地をつなぎ、復興の過程も語れる伝承者になりたいと考えています。今度は私が大切な人や場所を守っていきたいなと思って活動しています」
大学生としての最後の語り部活動をした2月24日。語り部としてのキャリアをスタートさせた静岡で、こう思いを伝えました。震災伝承のほか、能登半島地震の被災地のボランティア活動などにも参加し、防災に関わる多くの人との縁を紡いできた大学生生活。4月からは千葉大学大学院に進学し、学校や地域との連携の視点から、防災などについてより深く研究したいと考えています。

「震災伝承って直接命を守ることにはつながらないかもしれないですけど、命を守る種をまいたり、命を守る連鎖を生んだりすることにはつながると思うので、私自身からそれをつくっていきたいなって思っています」
津波は見ずとも、聞き手と同じ目線で防災を見つめ、語り部活動を続けてきた髙橋さん。地道な語りを通じてまいた小さな種が、“誰もが災害から命を守れる社会”として大きく花開くことを信じて、これからもまっすぐに、震災伝承と向き合います。
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