<観光客>
Q.タチウオはどうですか?
「タチウオって怖い魚だと思うんですけど、デザインがすごく可愛らしくて、いいかなと」
「いい絵ですね。インパクトがありますよね」
Q.おみやげにもいいですよね?
「そうですね」
「あ、着ている!可愛らしい」
「背中にも2本ぐらい」
「入っているんだ、タチウオが」
「すごい」
<中西結香記者>
「きょうのしずおか産は、沼津の魚の魅力が詰まったTシャツです」
Tシャツを販売しているのは、沼津我入道漁協即売所(静岡県沼津市)です。食堂で働く人たちもタチウオやホウボウとユメカサゴのTシャツを着ています。
沼津港で獲れた新鮮な魚の丼や揚げ物を味わえる市場の食堂。休日のこの日も観光客で賑わっていました。
<観光客>
Qこの絵は今は中学生なんですけど、沼津市の中学生が小学生の時に描いたんです
「そうなんだ!」
食堂の壁にはTシャツのもとになったタチウオの絵があります。「沼津市公認おさかなクリエイター」鈴木翔太さんが描きました。
<鈴木翔太さん>
「タチウオは市場で見ると銀色一色だと思うんですけど、海の中では透き通った青色になっていて、とてもきれい。それを再現したくて、普通銀色ですけど、青色にしました。ここの食堂でタチウオが食べられるのでタチウオのおいしさも知ってもらいたいです」
タチウオの旬は夏から秋にかけて。いまがおいしい時期なんです。海の中にいるタチウオが青色にみえたという翔太さん。魚の絵を描き始めたのは3歳の時でした。小学2年の頃から「いきもの水彩画家」として、静岡県内や県外で多数の個展を開き、2年前、即売所のリニューアルと同時にオープンした食堂を記念して、壁に魚の絵を描きました。Tシャツやパーカー、トートバッグもその時にデザインしました。
<沼津我入道漁業協同組合 松下一男組合長>
「やっぱりこれがいい(胸の絵)。背中のタチウオもいいですけどね。『沼津の我入道って知ってる?』これがまたいいなかと思います」
でも、数ある魚の中でなぜタチウオを選んだのでしょうか?
<沼津我入道漁業協同組合 松下一男組合長>
「我入道の漁師さんがメインでやっているものはタチウオなんですよね。釣れるときには、100kgとか150kgとか釣れる」
タチウオは沼津我入道漁協の年間水揚げ量の7割を占めています。そのタチウオをTシャツの絵として、翔太さんに描いてもらいました。
<沼津我入道漁業協同組合 松下一男組合長>
「これからももっともっと広めていけたらと思っています」
Tシャツは海で仕事をする漁師さんも着ています。
<大翔丸 本間保行さん>
「素材はいい。船には積んであるから。汗かくから、着替えたりする時もあるもんで。そのときパッと着てイベントの時はみんな着て宣伝したりしているからいいんじゃないかな。ひとつのチームみたいな感じで」
大好きな海を守っていきたい。翔太さんはTシャツなどのデザイン料の一部を海洋ごみの問題に取り組む団体や未来の子どもたちを応援している団体に寄付しました。
<鈴木翔太くん>
「沼津の魚を知ってほしいのとみんなに自分の絵を知ってもらえるということがとても光栄なことですし、とても思いを込めたので、ぜひ見てほしいなと思う」