山々に囲まれた静岡県島田市の川根温泉です。「ふれあいの泉」は、日帰り入浴が楽しめる人気の施設です。のんびりと温泉に入ったあとにオススメしたい一品がこちら。食事処の人気ナンバーワン!その名も「幻の塩ラーメン」です。
<川根温泉ふれあいの泉 成滝隆亘さん>
「こちらの塩ラーメン、川根温泉から作られた塩を使っています」
この塩ラーメンの塩は、なんと川根温泉からとれたんです。今回のしずおか産は、川根温泉から生まれた塩「かわねのごえん」です。
川根温泉に大きなタンクを積んだトラックがやってきました。川根温泉の源泉をタンクに入れているのが、「かわねのごえん」を作っている平口篤司さん(82)と堀田耕一さん(73)です。
<平口篤司さん>
「(川根温泉の)元支配人だもんでね、その関係で仕入れさせてもらっています」
川根温泉から車で約10分。茶畑の中にある塩の工場、「おやじ農園」です。仕入れた源泉を、ここで1週間煮詰め、塩を作ります。
川根温泉の泉質はナトリウム塩化物泉。約1%ほどの塩分が含まれているということです。
温泉には地底にある約2万年前の化石海水が混じっているともいわれています。
<おやじ農園 平口篤司さん>
「川根温泉の支配人をしているときに、試しに厨房から鍋を借りて煮てみたら塩ができた。それが始まり」
2人は、退職後10年以上、塩作りを続けています。
<おやじ農園 堀田耕一さん>
「機械はいっさい使わない。こだわるというか、2人ともいっぱい時間があるもんだから、ゆったりとした時間の中で楽しみながらやるのが僕らの一番の考え方かな」
約400リットルの温泉水を1週間かけて濃縮させ、最終的に水分を取り除き、出来る塩はわずか3kgほど。貴重な塩のお味は?
<篠原大和記者>
「出来立ての塩を、ゆでたまごにつけていただきます。塩のしょっぱさがそれほど強くなくて、とても優しい。粒がサラサラで細かいので口の中ですっと溶けていく。川根温泉の塩、とってもおいしいです」
<おやじ農園 堀田耕一さん>
「自分は餃子で食べるのが一番好き。タレを使わず、この塩で食べると具の良さをそのまま味わえる、そんな気がします」
川根温泉の源泉をじっくり煮詰めて出来た塩は優しい味わい。
<おやじ農園 堀田耕一さん>
「塩の『えん』にかけて大勢の方々と『ご縁』をいただきたい。そんな願いを込めながら『かわねのごえん』と命名した」
温泉という自然の恵みと川根への思いが詰まった「しずおか産」です。