日本でも盛んに話題になる「人生100年時代」。これは英国ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授が出版した「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」の中で、衛生状態の改善、医療の進歩や、大規模な戦争や紛争が減ったことにより平均寿命が伸び「やがて100歳まで生きるのが当たり前になる時代が来る。長寿時代に向けて従来の社会制度や人生設計を見直そう」と呼びかけたことが始まりです。そして、長寿国の日本は世界でどこよりも早くこの時代に突入したといわれています。

社会制度はすぐに変えられても、変えられないのが人間の身体です。寿命が伸びても、身体機能が同様に長持ちしてくれるわけではありません。特に「運動器」と呼ばれる、手足の関節などは加齢に伴い骨がもろくなったり、軟骨が磨り減ったりするなどして変形するため、痛みに苦しむ人口が急増しています。
その場しのぎに痛み止めを服用したり、サポーター、杖などを使ったりしても根本的な解決にはならず、痛みをかばった動きをすることで今度は問題のない箇所に障害が起きてしまうこともあるようです。
「壊れたなら、その部品を交換すればいいー」。1890年ドイツで象牙で作った人工膝関節の置換手術が世界で初めて行なわれて以来、人工関節の技術は「より安全に、より正確に」を目指して進化してきました。