「バンバン判断していかないと」町の幹部から厳しい指摘も

一方、対応に悩んでしまったのが防災を担当する部署です。

<情報防災課の職員>
「臨時情報が出た場合に、巨大地震警戒、え〜と、事前避難の呼びかけをする。普段よりも高まっていますとか言っちゃったほうが良いのか」

<黒潮町情報防災課 村越淳課長>
「バンバン判断していかないと、すべてのことが後手後手に回ってしまう。臨時情報の発表までに考える時間は少ない」

約2時間議論した後、災害対策本部の会議で発表しました。

<情報防災課の職員>
「どの人員が対応にあたるのか、本部長とも確認しながら進めていきたいと考えております。事前準備に皆さんもう一度チェックをしてくださいという内容で(町民に)放送し周知したいとも考えております」

<高知県黒潮町 西村康浩副町長>
「さっきから、検討する、取り組む、考える、要は決まっていないということだね。その場の状況に合わせて」
<情報防災課の職員>
「そうですね」

町の幹部から、厳しい指摘が入りました。

<京都大学防災研究所 矢守克也教授>
「考えれば考えるほど、今やっておくべきことが多いということが分かりました。事前に臨時情報が出たとしたらこういう風にやりましょうねと臨時情報が出る前にやるべきこと、できることがかなりたくさんある」

南海トラフ地震臨時情報は、まだ1度も発表されたことがありません。初めて発表された時に混乱するのか、落ち着いて対応できるのかは、普段からの備えにかかっています。

地震発生の可能性が普段より高まっているとはいえ、実際に起きる確率は、巨大地震警戒でも7%程度、十数回に1回程度とされています。地震が発生しなかったとしても、何ができるのか、事前の備えを考えておくことが大切です。