憲政史上初の女性総理となった高市早苗首相(64)が10月21日に組閣した新しい内閣で、財務大臣に片山さつき氏(66)=参院比例=、経済財政担当大臣に城内実氏(60)=衆院静岡7区=が起用されることが決まりました。この2人といえば、かつて同じ選挙区で2度も戦った20年にわたる因縁があります。
事の始まりは2005年までさかのぼります。住宅街から中山間地まで抱える「日本の縮図」と呼ばれる政令市・浜松市などを選挙区とする衆院静岡7区選出の城内氏は、小泉純一郎首相(当時)が推し進めた郵政民営化法案に反対します。
これに対し、小泉首相は当時財務官僚だった片山氏を「刺客」として送り込み、「郵政選挙」では、片山氏がわずか748票差で城内氏を破り、初当選しました。議席を失った城内氏はその後離党、この選挙をきっかけに、2人の間、さらに地域に大きく深いしこりが残ることとなりました。
それから4年、2009年に行われた衆院選で、再び2人が相まみえます。城内氏は再び無所属で静岡7区から出馬し、片山氏は自民党への逆風にさらされながら、必死のどぶ板選挙を展開します。選挙直前には、スズキの鈴木修会長(当時)が「今回は城内を応援する」城内氏への支持を表明。大きな後ろ盾を得た城内氏は「政権交代」が最大の争点だった選挙で大勝し、国政に返り咲き。一方、敗北した片山氏は比例復活もできず、議席を失います。
その後、片山氏は2010年の参院選で国政復帰を果たすと、安倍内閣では地方創生担当大臣を担当しました。一方、城内氏も外務副大臣や環境副大臣などを歴任し、石破内閣で経済安全保障担当大臣として初入閣を果たします。
あれから20年、高市内閣では、国の経済運営の中核を担うポストとして“同僚”となる片山氏と城内氏。財務と経済財政という密接にかかわる分野で、どのような協力関係を築いていくのか。高市内閣の経済政策の行方とともに、2人の関係性も注目が集まります。