まずは、引っ越す前の準備です。電気、ガス、水道や、インターネットの解約は気が付きやすいのですが、火災保険や家賃保証会社も解約手続きが必要です。山田さんは「火災保険は解約すると残りの期間に応じて返金があるのですが、忘れる人も少なくありません。契約書を見返しましょう」と指摘します。

解約時、家賃の日割りができない物件もあります。その場合、引っ越した後も前の部屋の賃料を支払わなければなりません。一方、敷金精算のために退去立会いする不動業者を呼ぶ前に、室内をきちんと掃除しておくと、見積もりが"甘くなる"可能性もあります。

敷金とは家賃の滞納や原状回復などの費用にするため大家が事前に回収する金のことです。以前は、大家の立場が強く、経年劣化した壁紙の交換など本来大家が負担すべきなのに、敷金の大半か、敷金以上の費用を要求されるトラブルが多発し社会問題化していました。しかし「敷金については『東京ルール』が静岡でも浸透してきているので以前ほど大家が有利な精算とはなっていません」と山田さんは説明します。