飯田市と静岡県浜松市を結ぶ三遠南信自動車道の工事で、県境の「青崩峠(あおくずれとうげ)トンネル」が、今年5月に貫通しました。
難攻不落とも言われた青崩峠の貫通を記念してあるものが配られていますが、それがいま人気を集めています。
今年5月。

飯田市南信濃と浜松市にまたがる三遠南信自動車道の「青崩峠トンネル」が貫通しました。
全長およそ5キロのトンネルは、中央構造線のもろい地質や、地表からの深さが最大で610メートルにも及ぶことなどから、最大の難所として、およそ4年にわたって工事が進められてきました。
まさに「難攻不落」の峠をついに攻略し、国の飯田国道事務所が記念に配布を始めたのがこちら。

貫通の際に採れた石、「貫通石(せき)」です。
受け取った人(愛知から):
「青崩峠といえば交通の難所だったところなので、やっとトンネルが開通したということで、すごくおめでたいと思って」
貫通石は、建設業界で古くから安産のお守りとされていて、最近では一般にも「難関突破・初志貫徹」の意味から合格祈願のお守りとしても人気が高いといいます。

兵庫から:
「自分の志を貫通できるようにお守りとして持っていたいと思う」
愛知から:
「来年就職試験があるのでお守りとして飾ろうかなと思う」

飯田国道事務所が9月4日に300人限定で配布するとSNSなどで告知したところ、希望者が殺到。
なんと、ひと晩で上限に達しました。
国交省飯田国道事務所 浅井直実(あさいなおみ)副所長:
「ちょっと我々もびっくりしている。かなり大きな期待を皆さんされているんだなとひしひしと感じている。(今後は)安全第一で工事を進めて、なるべく早く皆さんに使っていただけるように頑張っていきたい」
最大の難所を突破した、青崩峠トンネルの貫通。
難工事で誕生した石が、思わぬ幸運をもたらしてくれるかもしれません。