丸茂さんの自宅を訪ねるとさらに驚かされました。


(ギネスの認定証を取り出して…)「これが2番目にもらったやつ 92歳 一つ目はねロシア行った時のやつ」


なんと、ギネス世界記録の認定証が3枚も。

実績を重ねてきた証が、誇らしげに飾られていました。


■丸茂さん「今まで ただ惰性でやってきたもんでさ。世界最高齢っていうんでさ、そりゃびっくりした」

スケートが盛んな茅野市で幼いころからずっと氷に親しんできた丸茂さん。


実力は地区の大会に出る程度でしたが、80歳を過ぎた時 友人の一言が転機に。


■丸茂さん「丸茂さん、85歳以上っていや今、全国のレース中に誰もいないから、やれやい、出てみないかい、そうすりゃ必ず金メダルになるよ、って言われて」

86歳で初めて、中高年を対象にしたマスターズスピードスケートの全国大会に出場。
85歳から90歳未満のクラスで、500mと1000mの種目をたった1人で滑りました。


■丸茂さん「1人っきりだもんで。金メダルをもらえるんだよ。こんなうまい話はない、何しろ、年齢だけは追い越されないから、そこから始まった」


毎年全国大会に出場するもライバルはおらず、まさに無双状態。

金メダルを増産していきます。


■丸茂さん「帰りには金メダル2ついつももらって。申し訳ないようだけどね。20枚ばかりになる」


そして、その目はついに世界へ。
88歳の時、モスクワで開かれた国際大会に出場します。

年齢が下の選手に敗れ銀メダルに終わったものの、このとき「88歳と337日」で世界最高齢のスピードスケーターとして、ギネス記録に認定されたのです。


丸茂さんは「勝ち負けよりも外国人選手との交流が大きな収穫だった」と振り返ります。


■丸茂さん「私は高齢者でしょ。珍しくて、わんさわんさと来るわけ。言ってることは直接理解できないが推測はできる。だからこっちはニコニコ笑ってやあやあなんて言ってね。こういうようなムードがあればね。世界平和というね。戦争なんかやらんで済むじゃないかと思ったもんだよ」


マスターズの普及を進める団体は、年を重ねてもスポーツのつながりが新しい生活スタイルとして定着してほしいと期待を込めます。


■日本冬季マスターズスポーツ協会 高井健志代表理事「与えられた人生をいかに楽しむかというのが ここ最近注目されてますけど 生涯スポーツがあって、健康寿命で、楽しい思い出 楽しい時間をできるだけ長く使う 仲間との繋がりがあることで今までなかった活動が できるようになってきた」