食料品など日常の買い物がしにくい「買い物弱者」を支援しようと、閉店したスーパーを再生する方針を固めていた長野県阿南町。

しかし、その計画が白紙に戻されました。
一体、何が起きているのでしょうか。


去年(2022年)11月に閉店した阿南町のスーパー「お酒と本屋」。

経営者の高齢化や、電気代の高騰など背景に閉店を余儀なくされました。

このスーパーをめぐってある問題が起きています。


■高野記者「去年閉店したこちらのスーパー。行政が再生に乗り出したが、その計画は現在、白紙となっている」

町内で食料品などを販売する店は現在、4店舗。


閉店したスーパー周辺は県立阿南病院や阿南高校がある町の中心部で、JR飯田線の温田(ぬくた)駅にも近く、近隣の泰阜村や天龍村からの利用客も多かったといいます。


■住民「なかなかお店がないのでここのお店が復活すると助かる。お店が1軒なくなると残念だし、みんなが困る」


■高校生「ほかの店とかほしいと思っていた」


およそ2000人が購買の拠点としていたというスーパーの閉店。

町は買い物弱者を支援しようと、再生に乗り出すことを決めました。

しかし…。


■阿南町 勝野一成町長「備品だけで4600万。冷蔵庫とレジと棚で…たまったもんじゃない」


町は当初、店舗を借りて改修し、指定管理者に運営を委託することを計画。

改修費は全体でおよそ7000万円を見込んでいましたが、見積額はおよそ1億1000万円と、想定を大幅に上回りました。


■勝野町長「機械類が非常に高くなっている。それらが上乗せされて億を超えてしまった。予想外の展開」

原因となったのは物価の高騰。


資材から機械類までのほとんどが値上がりしたといい、予算不足で計画は白紙に戻されました。


■勝野町長「全額が一般財源。それは我々のような町村にとっては非常に厳しい。(買い物弱者支援として)行政が関与せざるを得ない状況なので、例えば国や県でも力を貸してほしい」

町の人は。

「無理もないと思う。町で検討しても難しいというところで白紙になったと思うのでそれはそれで私は理解できる」

「理解はできるけど不便だなと思うところもある」


町は業者に再度見積もりを依頼していて、その結果を受け対応を検討したいとしています。