12の選挙区で40議席を争った長野県議会議員選挙は9日投票が行われましたが、このうち現職県議の逮捕で構図が一変し、異例の選挙戦となった塩尻市区では、自民党が議席を失いました。

9日午後10時、信毎SBC開票速報が出ると、会場に大きな歓声が上がりました。

塩尻市では、無所属で新人の丸山寿子(まるやまとしこ)さんが初当選。

無所属で現職の続木幹夫(つづきみきお)さんが3度目の当選を果たし2議席とも野党系の候補が占めました。

塩尻市区では2022年11月、自民党の丸山大輔(まるやまだいすけ)県議が妻を殺害した疑いで逮捕され、その後、起訴されました。

現職県議の逮捕に選挙戦の構図は一変。

自民党は、歯科医師で後藤茂之(ごとうしげゆき)経済再生担当大臣の塩尻後援会長を務めていた都筑文男(つづくふみお)さんを擁立しましたが、わずか22票届かず、議席を失いました。

(都筑文男さん)「期待を本当に裏切るようなことになってしまいました。心よりお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」

開票の行方を見守っていた後藤大臣は足早に会場を後にしました。

(後藤茂之大臣)「皆さんに一生懸命やっていただいてありがとうございました。誠に残念だと思う」
(記者)「事件の影響はいかがでしょうか?」
(後藤大臣)「・・・」

(都筑さん)「逆風、3倍の逆風だったと思いますね。事件のことを、やっぱり心の中に、どっかにしっかりと重くのしかかってるというか、気持ちの中にあったんだろうと思いますね」

小口利幸(おぐちとしゆき)前市長の後押しや、立憲民主党の推薦を受け初当選を果たした丸山寿子(まるやまとしこ)さん。

当選のあいさつでは、信頼の回復に努めると強調しました。

(丸山寿子さん)「県議の姿勢というのも今問われていると思いますので、今まで通り私は市民の皆様と対話をし、そしてアンテナを高くして、いつも情報キャッチして、県政を進めていく」