大規模な土砂崩落のため4月から通行止めとなっていた、上高地に通じる歴史的な登山道の規制が解除され、30日からおよそ半年ぶりに通行できるようになります。

30日から通行できるようになるのは、松本市安曇の島々宿登山口から徳本峠(とくごうとうげ)を通って上高地の明神に通じる、全長20キロの登山道「島々明神線歩道」です。

整備された付替えルート 提供:長野県


島々宿登山口から徳本峠までの間で、少なくとも高さおよそ30メートル、長さおよそ20メートルにわたって大規模な土砂崩れが起き、16キロの区間が、4月9日から通行止めになっていました。

出典:長野県提供資料











赤線が登山道があった場所 提供:長野県

崩落エリアの上部 提供:長野県



環境省や県、市、地元の関係者が、崩落した場所の南側の上部をう回する形で、およそ500メートルの付替えルートを整備することで、およそ半年ぶりの開通に漕ぎつけました。

島々明神線歩道は、釜トンネルが整備される以前は、上高地に至る唯一の道で、日本アルプスを初めて世界に紹介したウォルター・ウェストンが歩いたことでも知られる歴史的な登山道です。

大雨や群発地震の影響による土砂崩落で2020年に同じ区間で通行止めになった際には、通行再開までに4年の歳月を要していました。

県では、再開後も、落石や滑落の危険があることから、登山技術や装備、自身の体力を勘案した上で入山するよう呼びかけています。