千曲市と須坂市を結ぶ路線バス「屋代須坂線」について運行を担う長電バスが、撤退もしくは減便したいとの意向を示しました。
長電バス 鈴木立彦社長:「朝夕の通学時間帯には一定数の利用あるが、それ以外は一桁の利用しかない。事業者としては減便もしくは路線からの撤退をお願いしたい」

12日に長野市で開かれた公共交通に関する協議会で利用者の少なさなどを理由に挙げた長電バスの鈴木立彦社長。
長電バスと千曲市のシンリク観光が運行する「屋代須坂線」は、長野市の松代地区を経由し千曲市と須坂市を結ぶ路線で、沿線には学校や医療機関もあります。

しかし、利用者が少ないことなどから去年8月には、平日と休日あわせて18便を減らしました。
5月と6月に実施した調査では、平日の利用者は、通勤通学時間帯が最も多くて50人弱。少ない時は、1人から3人ほどの便もありました。

限られた運転手で公共交通を維持していくために、長電バスでは路線からの撤退やさらなる減便が必要との判断をしたということです。
長電バス 鈴木立彦社長:「大型免許を持っているプロドライバーはライセンスをいかせる仕事をしてほしい。利用増の余地があるところに資源を投入して増強もしていく。そうしていかないと県の公共交通はどんどん減っていくしかない。そうならないようにしていきたい」

学生の利用が全体の7割を占めるという屋代須坂線。
通学で利用する高校生は:「厳しいというか嫌ですね。唯一の手段でもあったので。(ほかの手段は?)自転車、1時間くらいかかる」

12日の協議会でも沿線にある3つの市の担当者から、学生の「通学」手段の確保を最優先に考えてほしいとの意見が出ました。
協議会では、中学3年生の進路選択にも影響が出ないよう、10月ごろには見直しの方針を示したいとしています。