長野県中野市で2023年に起きた4人の殺害事件。事件の背景に浮かぶのは、青木正憲被告の深い孤独感です。若者の孤立と向き合ってきた県内の団体や当事者たちの声を聞きました。


中野市でおととし、女性2人と警察官2人が殺害された事件。

「独りぼっちと馬鹿にされていると思った」


逮捕された直後、犯行の動機をこう語っていた青木政憲被告。近所の人などによりますと、青木被告は1年間の浪人生活を経て、東京の大学へ進んだものの中退。

周囲と馴染むことができず、地元に帰ってきてからも、人との関わりはほとんどなかったといいます。

学び舎めぶき代表 永井佐千子さん:「これ終わってからお昼届ける予定なので、少し多めに作っておいて」

長野市にある「学び舎めぶき」の代表 永井佐千子さん。


不登校の子どもや、社会にうまくなじめない人など引きこもっている若者たちの声に耳を傾けています。

学び舎めぶき代表 永井佐千子さん:「一番多いのは20代前後の方、高校卒業した後に、なかなか仕事に就けず、社会に出て行けなくて引きこもってしまっているという方の相談がすごく多い」

内閣府が行った調査では、「しばしば孤独を感じる」、あるいは「常に孤独感じる」と、答えた人の割合で最も高かった世代は20代。続いて、30代となっています。

およそ5人に2人が孤独を抱えることがあるとしていて、特に若い世代にその傾向がみられます。


現在、「めぶき」には北信地方のおよそ100人の若者が登録しています。