コメをめぐっては価格の高騰、そして品薄状態が続いています。

今月下旬からは県内でも田植えが始まる中、農家は今年の米作りについてどう考えているのでしょうか。増産の動きがみられる一方で、課題もあります。

安曇野市三郷(みさと)の、宮澤ファーム。
ハウスに広がる緑は、稲の苗です。

■宮澤ファーム 宮澤和芳さん:
「今のところ、寒いんですけど順調に育ってきている感じですね」


市内の複数の水田でコメを栽培する、宮澤ファーム。
JAや卸業者への出荷のほか自社でも直接販売してきましたが、去年の夏以降の状況には戸惑いを隠せません。

■宮澤ファーム 宮澤和芳さん:「米がなくなるなんてことがあるんだなっていうふうには思ったんですけど、そのときに『買えないから何とか売ってくれないか』とか、そういった問い合わせが多かったんですけど、なかなかそこに対応することができなかったのでちょっと心苦しい部分はあった」

店頭から米が消え、“令和の米騒動”と言われた去年の夏。

コロナ禍で落ち込んでいた外食消費の回復やインバウンド需要の拡大、近年の夏の高温による収穫量の低下などが、要因とされています。

新米の流通で解消されると思われましたが、依然として品薄、そして価格高騰の状況は続いています。

現状を踏まえ、宮澤さんは今年、主食用米の生産量を増やす計画を立てています。

■宮澤ファーム 宮澤和芳さん:「昨年が42ヘクタールの作付けだったんですけど、今年は45ヘクタールの作付けになるので増えた分と、若干主食以外(酒米など)から主食米に振り替える部分もあるので」


主力のコシヒカリ以外にも暑さに強い品種なども育て、収量を確保。
自社販売分で、去年よりも1割ほど多く生産できるよう、計画を立てています。

■宮澤ファーム 宮澤和芳さん:「非常に在庫的にも厳しい部分があるので、ちょっと余裕を持って販売できるように。安定的に供給するっていうのが農家の使命だと思いますので、この1年間また頑張っていければと思っています」

一方、米農家が置かれてきた厳しい現状の中で、複雑な胸の内を明かす農家も…。