長野県御代田町で20日の夜に行われた祭り「寒の水(かんのみず)」。
1年で最も寒い大寒に行われる伝統の祭りの参加者を追いました。
ふんどし姿の男たちが水を浴び、五穀豊穣と無病息災を願う「寒の水」。
御代田町の草越(くさごえ)地区で江戸時代から続くといわれる伝統の祭りです。
20日午後4時半過ぎ、公民館に集まり、かす汁やお神酒で体を温める参加者たち。
区の住民や紹介を受けた希望者が、修行をする「行者(ぎょうじゃ)」となって集落を駆け巡ります。
最年少は23歳の土屋舜太朗(しゅんたろう)さん。
高校生の時に初めて参加し、今年で4回目です。
土屋さん:
「ほんと家がすぐそこなので、もうやらざるを得ないというか、(途中で)やめようかなって思いますけど、途中で抜けるのもかっこ悪いからやるしかないという感じです」
最年長は区内で農業を営む荻原英樹(おぎはらひでき)さん61歳。
荻原さん:
「修行だと思って、豊作で自分もそうだし子どもたちも元気であればいいなって」
全盛期には60人ほどいたという参加者も今では半数以下に。
祭りを守り伝えていくことの難しさもありますが、やめようという声は聞こえてこないといいます。
氏子総代 土屋和明さん:
「やっぱり大事な行事なんでしょうね。お酒をくみ交わしたり、それでだんだん絆ができていくというところもあると思います」
午後6時、公民館を出発する行者たち。
区内6か所で水を浴びながら、およそ1キロ先の熊野神社を目指します。
水を浴びて濡れた体が風にさらされ体温を奪っていく過酷な道中、先頭を走っていたのは最年少の土屋さんです。