御嶽山噴火災害の遺族などでつくる「山びこの会」は、7月の現地調査の結果を受けて、会としては行方不明者の捜索を行わないことを決めました。

山びこの会は7月29日、民間の山岳捜索会社とともに、行方不明者が流されたとみられる御嶽山八丁ダルミ東側の谷筋で、不明者の独自捜索に向けた事前調査を行いました。
その結果、捜索会社側からは「10年が経ち、噴火後の土石流で地形も変わってしまっているため、発見するのは難しい」といった説明を受けたということです。

山びこの会事務局代表のシャーロック英子(ひでこ)さんによりますと、これを受けて会としては、これまで続けてきた独自の捜索活動に区切りをつけることを決断しました。
一方、長男が行方不明になっている愛知県の野村敏明さんは、取材に対し、「会の方針なので致し方ないが、残念という言葉しかない。探すことをやめた時点で見つからなくなってしまうので、諦めたくない」と話し、今後は個人として方法を検討し、捜索を続けていく意向です。
2014年に発生した御嶽山の噴火災害では、58人が死亡したほか、現在も5人が行方不明となっています。