上田市出身で、埼玉県の大学を卒業後、生活に身近な食の仕事をしたいと水産会社に勤めましたが、6年前に脱サラして農家を始めました。

松本さん:
「実家に帰ってくるたびに荒廃地の畑がどんどん増えてくる。あぁあのおじいさん、ここでやっていたのにやめちゃったなとか、そういうのを見るとなんかできるんじゃないかなって」


市内の耕作放棄地6か所、およそ6000平方メートルで、母親の美津子(みつこ)さんと従業員2人とともに60種類の野菜を作り、市内の直売所やインターネットなどで販売しています。

松本さん:
「実際入れるのはこの辺のたい肥。きのこの培養土ですね。これを1年間くらいほったらかしにして、発酵を繰り返して細かくなったものを畑に入れてってあげる」

エノキ栽培に使われる、おが屑などで土づくりをしています。

手間暇をかけ、こだわりの農法で栽培を続けています。

松本さん:
「やっぱ味じゃないですかね。甘くなるっていうんですか、野菜本来の味がそのまま出てくるっていうのが一番のメリットなんじゃないかなと」

野菜づくりを選んだ理由は、母・美津子さんの影響が大きかったからだといいます。


松本祐也さん:
「25年前くらいから母が子どもに安心して食べられる野菜をっていうので、本当に小さい家庭菜園を始めたんだよね。まあしばらく、ろくなもん採れてなかったんですけど」

美津子さん:
「もう本当に草畑になっちゃって」

祐也さん:
「小さいころから僕はそういうのを見てきたんで」

美津子さんは県内の専門家や書籍などから学び、知識や農法を身につけました。

母のやり方をそのまま受け継いだという祐也さん。

この栽培方法を守っていく。

そして、野菜本来の味わいを多くの人に知ってほしいと、ベジまるをオープンさせました。

祐也さん:
「母がそうやって自分に対してやってくれたことと同じように、自分も次の世代に向けて今やっていることを残していく。せめて知ってもらうだけでもいいのでということはやっていきたいなと思います」