第1回大会から緊迫した場面に遭遇「もし処置が遅かったら...」

地元、総社市で11年前に小児科医を開業し、健康維持のためにとマラソンを始めた高杉さん。第1回のおかやまマラソンで「ドクターランナー」の募集があることを知り、何か力になれればと応募しました。

その初回から、緊迫した現場に遭遇したといいます。

(高杉こどもクリニック・高杉尚志院長)
「前にいるランナーが倒れたんですよ。痙攣しているみたいに見えたんです。縁石で頭打って血を流していたから『ただごとではない』と思って、意識がないし...」

「『AEDある?』っていったらすぐに来たんですよ。『胸骨圧迫を始めてください』って言って、周りに何人かいたから『胸骨圧迫スタートしましょう』と言って、AEDつけて『ショックが必要です』と出て…」

「処置が遅ければ、日常生活への復帰は難しい状況になっていたかなと」

これまでの大会で、AEDによる処置が行われたのは4回。幸い、これまでに手遅れとなった人はいません。「ドクターランナー」ら救護スタッフがいたからこそ救うことができた命。。。その経験から、高杉さんは毎年おかやまマラソンには「ドクターランナー」として出場しています。

走る喜び 走る意味「ドクターランナーを人生に例えるなら」

(高杉こどもクリニック・高杉尚志院長)
「おはようございます。朝早くからすみません」

ー朝早いですね
「今5時半ですね」

ーいつもこんなに早くから練習しているんですか?
「たいてい朝は5時半スタートですね。もともと運動大好きなので、さっきまでラグビー観ていましたしね(笑)」

今では、仕事前に10キロ走ることがルーティンとなっています。

(高杉こどもクリニック・高杉尚志院長)
「上を見上げると、水平線を見るみたいな、地球の丸さを感じるような、そんな空が見えます。毎日綺麗ですよ。違う綺麗さがあります」

「健康維持を」と始めたマラソン。しかし走る楽しさだけでなく、新たな意味を感じています。

(高杉こどもクリニック・高杉尚志院長)
「マラソンは、医療とあまり関係がなさそうなことじゃないですか。でも関係がないようなところで、そんな風な出来事が起こって、自分の持っている技術や知識が役に立ったというのは、非常によかった経験なんですよね」

「マラソンを人生に例えることってよくあると思うんですよね。『一緒に走っているというのは、まさに人生を並走している』そんな感覚ですね」

「『いいこともあれば、よくないこともある。そんなときでもそばにいる』と。そんな気持ちで走っています」自分のためだけでなく医師として誰かのためにも高杉さんは走り続けます。

【解説】
おかやまマラソンに、今年は岡山県内外から約6000人のボランティアが参加しています。

AED班は1キロおき、30キロ過ぎからは500mおきに立っていて、本当に多くの人の支えで安心・安全な大会が成り立っているマラソンなんです。前日11日には誰でも参加できる救命講習会も開催されますので、関心のある方は大会のホームページをご覧ください。