デザイン担当・イチバンセン川西代表「お気に入りの座席見つけて」
この列車のデザインを担当した、建築士事務所「イチバンセン」の川西康之代表取締役は、この「新型やくも273系」の車内に様々な工夫を施したと話します。

(イチバンセン 川西康之さん)
「車内は、実は従来の車両に比べてボディーの断面は少し狭いんですね。現在の『やくも号』とあまり変わらない車体の断面なんですけども、それをより広く感じられるようにインテリアは『色調』『色彩』でいろいろと細かい工夫を施しております」
「同時に様々な『居場所』をご用意しております。セミコンパートメントや普通席のユーティリティスペースなど、様々なお客様のニーズに応える様々なスペース...お客様に『ご自身の居場所』『お気に入りの座席』を願わくば発見していただいて、末永く様々なお客様にご利用いただきたいという思いです」

「いろいろ皆さんと議論し、やくも号の伸びしろはどのようなお客様ターゲットかなと...『子育て世代』『お子様連れのお客様』にとってより使い勝手が良いやくもを目指そうと」
その使い勝手の良さ...【画像⑦】のように全席にコンセントが配置されたほか、他にも様々な気遣いが、車内には散りばめられています。
「現行のやくも号はオムツ替えスペースがありませんが、これを機に、備えております。また最新のバリアフリー設備はもちろん、それをおもてなしする乗務員・駅員も含めてレベルアップを図ろうというような議論を、今まさに皆さんと一緒にしております」

外観の「ブロンズ色」に込めた想い

そのこだわりは、外観の至るところにもありました。
(イチバンセン 川西康之さん)
「この車両の色に込めた思いというのはやはり、『沿線地域の自分たちのアイデンティティーは何か』ということを一つにまとめたものだと思います。暖かさであり、独特の景観...赤い瓦・石州瓦のある山陰の光景、そういった風景に映えるデザインを目指しております」
「そして、山陰地方の自然に映える『クリーム色』で窓の辺りを引き締めております」
