■カメラが「巣作りの瞬間」を捉えた!
カラスが繁殖期を迎えています。しかし、街中に作られた巣は停電の原因になるため、注意が必要です。5月11日に岡山市南区の一部で、5月13日には笠岡諸島でもカラスの巣が原因の停電がありました。
未然に防ぐための撤去作業もいまがピーク。RSKのニュース映像を振り返ってみると、人とカラスの知恵比べは繰り返されていました。
こちらは30年前の5月の映像です。電柱の上に大量の針金ハンガーが…

1999年5月には、RSKバラ園にある高さ100mの送信塔のてっぺんにも。つがいが卵をあたためているのではということで、しばらく様子を見守ったようです。


2009年3月には、そのカラスの巣作りをとらえました。針金のハンガーを持ち帰り、くちばしで電柱に押し付けて、器用に丸めています。

2020年。それにしても、ハンガーをどこで見つけてくるのか。視聴者が撮影した映像に、一部始終が記録されていました。

こちらは広島市内のマンションのベランダです。ふだんはあまり飛んでこないカラスが春はよく来るそうで…針金ハンガーをくわえて…飛んでいきました。


次の映像では、まずは黒い服をつつきますが、ハンガーごと落としてしまった…すると、今度は白っぽい服をつついて、服だけを落としました。そして、ものほしざおにひっかかったピンクのハンガーを器用にはずして、飛び立ちました。
そして、こちらが5月半ば、岡山市南区の住宅街にあった巣です。木の枝を組み合わせて…まるいくぼみには、布団の代わりでしょうか、スポンジのようなものも確認できました。

(中国電力ネットワーク 岡本徳久さん)
「材料を網目のように複雑に絡み合わせて、カラスが上手に巣を作っています。雨が降ると電気の流れがよくなりますので、その関係で広域な停電になります」

巣は地域住民が見つけました。連絡を受けた中国電力ネットワークは、停電のおそれがあるかを事前に確認し、卵やヒナがいる場合巣立つのを待って作業にあたるといいます。担当者の安全に細心の注意を払いながら…15分ほどで撤去が完了しました。

(記者)
「とるときに気を付けていらっしゃることは?」
(中国電力ネットワーク 岡本徳久さん)
「なるべく落下物がないようにはするんですけど、これだけのものですから最小限にとどめて」
(記者)
「こういうのって見かけたらどうしたらいいですか?」
(岡本さん)
「積極的に中国電力ネットワークへご連絡いただいて、早期発見、早期撤去につなげていきたい」

巣の出現ピークは3月~6月ということで、既に岡山市・玉野市エリアだけで今年801個ものカラスの巣を撤去しているということです。人間vsカラスの知恵比べは、今年もまだまだ続きます。