ローカル線が岐路に立たされています。岡山県内で「最も厳しい」と言われているのが、新見市を通るJR芸備線…すでに存廃の議論に発展しつつあります。沿線の住民からは、その必要性について様々な意見が聞かれました。

■利用者は「芸備線は必要」

芸備線 備中神代-東城間の1日の利用者はわずか80人


車窓から覗く人影はわずか…岡山県の備中神代から東城の区間の利用者は1日80人。岡山県で最も利用客が少ないローカル線=芸備線です。


(芸備線で通学する高校生)
「学校に通えなくなるので、芸備線は必要です」

それでも遠くの高校へ通う高校生にとっては、欠かせない移動手段。その芸備線が今、かつてない危機を迎えています。

(JR西日本 平島道孝 岡山支社長)
「芸備線を含める地域公共交通の置かれた現状や課題につきまして、共通認識を持ちながら進めていければ」

■「100円の収益」得るため「4000円超」必要な路線

2021年、会見で将来への強い危機感を示したJR西日本。2022年に入ってからは芸備線を含む維持困難な路線の収支が公表されました。岡山県で対象となったのは芸備線、姫新線、因美線の5区間。その中でも収支率が最も低かったのが芸備線です。


備中神代から東城の区間では100円の収益を得るために40倍以上4000円あまりの費用が必要です。芸備線の総延長は約159キロ。新見市と広島県広島市を結びます。このうち岡山県を走るのは新見駅から広島県庄原市にある東城駅までの区間です。


かつては通勤や通学、買い物の移動手段として今よりも多くの人が鉄道を利用していました。しかし、新見市の道路整備が進んだことなどで、主な移動手段は鉄道から車にシフト。徐々に利用客が減少していきました。また、その利便性も影響しています。。

■「7時発」の次は「13時発」 列車は1日6往復のみ

(リポート)
「通勤通学時間帯の列車が出発しました。ここ新見駅から次に出発する芸備線は6時間後です」


時刻表を見ても空白の時間帯が目立ちます。JR新見駅から広島方面に向かう列車は1日に6本。このため市民の中には…

(記者)
「芸備線に乗ったことはありますか」
(市民)
「芸備線に乗ったことないです。私は使わないのであまり、存続について何も思わない」
(記者)
「日常的な移動手段は?」
(市民)
「車が多いです」
「県や市が少し補助をした方がいいと思う、存続させるためには」

■新見市は利用促進に向けて取り組む

JRと芸備線の沿線自治体は2021年8月から、利用促進に向けた会議をスタート。新見市は、駅までの利便性を高めるために市営バスのダイヤ見直しなどに取り組みました。その成果を今月の会議でJRにアピールしました。

(新見市 野間哲人副市長)
「取り組み前に比べて、公共交通や鉄道利用の気運が高まり、少しずつではありますが、取り組みの効果が現れ始めた」


(JR西日本岡山支社 須々木淳副支社長)
「残念ながら、大量輸送機関としての鉄道の特性は発揮できておらず、鉄道は地域の役に立てていない」

沿線住民の利用は伸びなかったとして効果は限定的と指摘。さらに…

(JR西日本岡山支社 須々木淳副支社長)
「特定の前提を置かないうえで、将来の地域公共交通の姿について、速やかに議論を開始させていただきたい」

芸備線の存廃を含めた議論に発展させることを求めました。