なぜ土壌CO₂放出に注目するのか
大気中のCO₂濃度の上昇は地球温暖化を引き起こし、世界各地の降水パターンを大きく変化させつつあります。こうした変化は極端豪雨や干ばつといった極端気象の頻度を増大させ、土壌の乾湿繰り返しを引き起こすことが危惧されています。
地球上で最大級の炭素貯蔵庫である土壌では、有機炭素の微生物分解によって放出されるCO₂の量が、人為的CO₂排出量の約5倍に相当しています。そのため、気候変動が土壌のCO₂放出動態に及ぼす影響を明らかにすることは、地球環境変化の将来予測において極めて重要な課題です。
乾湿繰り返しが土壌CO₂放出を増大させる可能性は古くから指摘されてきました。
研究グループによる2025年の先行研究では、国内各地の10地点の土壌を使った培養実験を実施し、活性金属と有機物で形成された錯体成分(活性金属-有機物錯体成分)の存在量が多い土壌ほど、乾湿繰り返しによるCO₂放出の増大率が大きいことを見出しています。
しかし、そのメカニズムの詳細については、さらなる検証が必要な状況でした。