「娘が助けを求めていても助けることすらできない」親としての無力感
加藤さんの心配はどんどん大きくなり、この時期が一番苦しかったと語りました。
(加藤裕司さん)
「そのことは、われわれ夫婦は知らないわけで、私は毎日のように仕事で高松に行くわけですけど、心配がどんどん、どんどん大きくなってきて、『あの男は誰なんだろう?』『娘は無事に生きてるんだろうか?』『大丈夫なんだろうか?』って考えるとごはんが喉を通らないんですよね」
「寝ようと思っても、寝付けない。寝させてもらってないかもしれないと思うと、寝られない。まったく寝てないわけでも、食べてないわけでもないと思うんですけど…そんな日を過ごしていました」
「一番苦しかったのは、この時期かなと思います。自分の無力さを一番感じる時期なんですよね。何もできないわけです。情報もなければ、娘が助けを求めていても助けることすらできない。親としての役割が果たせていないという思いがものすごく強くなります」
「おそらく、多くの被害者の方も同じような思いを持たれたのでは、と思うんですけど。そういう日を過ごしていました」
警察が捜索をしている間、岡山西警察署の人が、一日に3度くらい入れ代わり立ち代わり訪ねてきていたようです。
「『何をそんなに心配してくれているんだろうな』というぐらい、わたしたち夫婦は何の事実も知りませんでしたので、すごく声をかけてくれるんだなと思っていました」
「ひょっとしたら、誘拐事件になるかもしれないというので、盗聴マイクを仕掛けて、それに何か録音されていないかとか、体調が悪くてごはんとか、買い物行けないんだったら、代わりに行きましょうかと声をかけていただきながら、過ごしておりました」










