冬はふっくら

(東洋産業 大野竜徳さん)
「寒い時期のルリビタキは、体を丸くしてふっくらと見えることがあります。
これは丸々と太っているようにも見えますが、羽毛を立てて空気の層を作り、体温を逃がさないようにしているためです。
小鳥たちに共通する、冬を乗り切るための大切な工夫で、スズメ目の鳥らしい姿とも言えます。私たちの身の回りにいるスズメも同じで、冬の間のこのもこもこしてまるまるしている様子を『ふくらすずめ』と呼びます。ふっくら膨れている様子を表していますね」

「ところで、虫の世界にもフクラスズメというヤガ科の大きなガがいて、このガは冬の間は私たちのおうちに入ってきて越冬することがありますのでご注意を。
人を刺したり嚙んだりはしないのですが、おうちが暖かいと寝ぼけて出てきて動き回ってぎょっとしたり、越冬に失敗して部屋の片隅から大きなガの死骸が出てきてがっかりする原因になります」

「おっと、話がそれました。ルリビタキは鳴き声についても、ヒタキ科の仲間の中では控えめな鳥です。冬にはさえずることはほとんどなく、短い地鳴きで存在を知らせる程度。そのため、声よりも動きや仕草で見つける鳥と言えるでしょう
落ち葉の上をちょこちょこと歩き、止まっては尾羽をフリフリ警戒しながら周囲を見渡す。その繰り返しが、観察の大きなヒントになります」

「ルリビタキは、オスの背中は鮮やかな瑠璃色で、脇にオレンジの差し色の入る派手な色で目を引きますが、若鳥やメスはちょっと地味めです。
しかし、冬の静かな澄んだ空気の中、ちょっとした木陰や広場で出会うその姿は、『寒い季節にも、確かに命は息づいている』ということをそっと教えてくれます」














