「今は普通に暮らせていますか?」の問いに山田さんは...

事件が起きたのは1974年。兵庫県西宮市の知的障がい児施設「甲山学園」で園児2人が行方不明になり、園内の浄化槽から遺体で発見されました。

行方不明になった日の当直で、激しく取り乱していた当時22歳の保育士の山田さんが殺人罪で逮捕されました。

過酷な取り調べで、山田さんは一旦は嘘の自白をしましたがその後、一貫して無実を主張し不起訴処分となります。

しかし逮捕から4年後に、「園児を連れ出したのを見た」という別の園児の目撃証言が決め手となり、山田さんは再逮捕されます(【画像②】は当時の山田さん)。

【画像②】

地裁判決では無罪が言い渡されましたが、5年後の高裁判決では破棄差し戻しとなります。その後、地裁・高裁であらためて無罪判決が出され、最終的に山田さんの無罪が確定したのは事件発生から25年後でした【画像③】。

【画像③】

(高校生)今は普通に暮らせていますか?

(山田悦子さん)
「レッテルを貼られた中での、普通の日常生活はできますよ。社会では普通には生きられない。これは仕方がない、さだめです」

「だから、死ぬまでこのさだめを背負って、えん罪者は生きるわけです」

【画像④】