葬儀車の中で 亡くなった息子を横に『健くん、なんでやろ?』

児島さんは生徒たちに、自分たちが幼いころを思い出してほしいと願っています。

(児島 早苗さん)
「皆さん、自分がいま高校1年生~3年生だから16歳、17歳、18歳、いろんな年代がいらっしゃると思います」

「3歳や4歳の頃の自分を、思い出して欲しいんです。ワープしてください。先生方、もしお子さんいらっしゃいましたら、その子供さんたちの2歳、3歳、4歳の頃を振り返ってみてください」

「子供は生まれてきて、しばらくして、言葉を覚えます。すると周りの大人たちに『これ何?あれ何?なんで?なんで?』と尋ね始めます。人は成長するため、よりよく生きるため、『なぜ、なぜ』と繰り返します」

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息子の健仁さんが亡くなった時に、早苗さんは人は『なぜ』といった疑問を抱く意味が分かったと言います。

(児島 早苗さん)
「健仁が亡くなり、葬儀社が準備した黒塗りの車で、病院から我が家に戻るその車の中、横にいる息子に

『なんでやろう?なんでやろう?』
『健くん、なんでやろ?なんでやろ?』終わりのないほど問いかけました」

「今、思います。あの『なぜ』は、起きた出来事としっかり向き合い、二度と同じ苦しみを起こさないため何ができるかを考え、今この世に生きている私たち自らが、今できることをしておくためなのだと」