「死人に口なし」真相を求めて自ら現場検証

早苗さんは事故の後、運送会社は「健仁さんに過失があった」と主張したといいます。

「死人に口なし」の状況に対し、息子がなぜ命を落としたのか。事故の真相を求め、母親の児島早苗さんと健仁さんの友人たちは自ら立ち上がり、現場検証を始めましたと言います。

検証では、事故鑑定人などにも協力してもらい、そこで得られた結論は「行く手を阻まれて停まったバイクに、トラックの方からぶつかってきた」というものでした。

児島さんたちは、現場検証の報告書を警察に提出し続け、事故から1年以上経った2002年に、運転手は起訴されました。

裁判は最高裁まで争った結果、運転手に過失が認められ、執行猶予付きの有罪判決が下されたということです。

遺族が血のにじむような苦しみを経験し、得られた判決に対して、早苗さんは「健くん、こんな状況を変えていこう」と誓ったと言います。

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児島さんたちは、真相を求め活動した状況をマニュアルにまとめ、同じ状況に立たされた被害者を支援する活動を始めました。

(児島 早苗さん)【画像②】
「真相が分からないと、そんな思いをしたままで一生を終える人がいるっていうことを知って」

「なんとか自分たちの、一歩一歩重ねる行動の中で分かってきたこと、真相を知るためのその一歩づつを、一冊の冊子にまとめよう。それを決心し、健仁のクラスメイトたちと1ヶ月に1回、2回集まるようになりました」

「そして出来上がったのが、3年かかりましたが、これが本当に形のない雲を掴むような話。それが3年後に出来上がりました。このイラストを書いたのは息子の幼稚園からの友達でした」

児島さんは作成した「交通事故対応マニュアル」【画像③】を無料で配布しています。

【画像③】