イチョウはなぜ鮮やかな黄色に?
──紅葉も終わりに近づきましたが、イチョウはなぜ鮮やかな黄金色に染まるのでしょうか。
(東洋産業 大野竜徳さん)
「イチョウの黄葉は、色がつくのではなく、緑が急速に消えることで黄色が浮かび上がる現象です。
秋になり日照時間が短くなると、イチョウは冬支度に入り、葉への栄養供給を止めます。
すると鮮やかな緑色をしていたクロロフィルが急速に分解されてなくなり、もともと葉に隠れていたカロテノイドが前面に現れます。
こうしてイチョウは、本当は緑色がなくなっただけなのですが、まるで黄金色に色づいたように見えるのです。
イチョウはこの切り替えが非常に急速で、緑から黄色への変化が一瞬で起こるように見えることもあり、まだら模様のイチョウを見られる時期はごくわずかです。
ムラなく均一の黄金色が広がるのは、この効率的な生理メカニズムのおかげなのです」











