高齢者が「エアコンをつけたがらない理由」とは

寺岡さんによると、高齢者は経験や思い込みから、これまでの習慣や考え方を変えるのは容易ではなく、昔からよく聞く「エアコンは身体に悪い」という話を信じている方も多く見られるそうです。

そして、高齢の親がエアコンをつけたがらない理由は、老化によって皮膚の感覚や内臓の機能が低下しているため、 暑さを感じづらくなっていることが原因で、現場では、暑い中でも平然と過ごされている高齢者も多いと指摘しています。

【画像②】

寺岡純子さん(看護師・主任ケアマネージャー)
「エアコンをつけずに在宅されている高齢者のご自宅を訪問させていただくと、高齢者の方が『暑かったでしょう』と声をかけてくださりつつ、エアコンをつける場面によく遭遇します」

「つまり、暑い時にはエアコンをつけたほうがよいのはわかっているが、自分は暑さを感じていないということがわかります」

「このような場合、『訪問時の室温』や『脱水の兆候がないか』のチェックは欠かせません。」

「高齢になると暑さを感じる感覚が鈍くなるため、『暑くない』と言っていても、しっとり汗をかいている場合や、気温に合わない服装をしていることがあります

「また、内臓の機能が低下していると、体温の調節が上手くできないこともあります。すると、脱水に陥りやすく 熱中症に移行しやすくなるため注意が必要です」

「高齢者が自らそのことに気付き、適切にエアコンを使用できるようになることが望ましいのですが、周囲の人が気にかけていることを分かってもらうことも、エアコンをつけてもらう働きかけのひとつではないでしょうか

高齢者の方に、エアコンを使用してもらうための意識づけはどうすればいいのか…、寺岡さんは、まず3つの意識改革から始めることが大切だと言います。