「高齢者にエアコンをつけてもらう」3つのコミュニケーション方法とは
寺岡さんは、高齢者にエアコンをつけてもらうために、3つのコミュニケーション方法について具体例を交えて紹介しています。その中で、「視覚的に」「繰り返し」「ポジティブ」をポイントに上げています【画像④で分かりやすく図解】。

①「デジタル温度計」「注意書き」を目につく箇所に設置、家族で室温を気にする習慣付け←(視覚的に)
寺岡純子さん(看護師・主任ケアマネージャー)
「冷蔵庫やテレビなどよく使用する場所などに、デジタル温度計を設置し、
・『室温 28 度以下』
・『エアコンはつけたままにする』
などの注意事項を書いて目につくところに貼っておけば、高齢者が視覚的に理解しやすくなります。
これにより、自分の感覚よりも室温 が高くなっていること、また気温が 35 度を超える日が多くあり、昔と違い気温が上がっている事に気がつきます。家族との日常生活でも室温を確認する習慣をつけましょう」

②「エアコンはつけ始めに電気代がかかるから、つけっぱなしでいいんだよ」と周囲の人から何度も伝える←(繰り返し)
「高齢者の意識を変えることは簡単なことではなく、周囲の人たちが繰り返し伝えていくことが大切です。言ってもすぐに変わらないからといって、相手を責めると意固地になって逆効果になることがあります」
「具体的に今回の実験結果を見せることや、かかりつけのお医者さんからの『つけっぱなしにすることが大事』というメッセージを文字にし、枕元に貼り付けるなど、視覚で訴えながら、『入り切り を繰り返すよりもつけっぱなしがよい』という事をいろいろな人から繰り返し伝えてもらうのが良いでしょう。
「つけっぱなしを維持すること で、室温も一定に保たれるため熱中症対策としても有効です」
「また、デジタル温度計を設置したことにより、エアコンを消すと室温が上がっていく様子が視覚的にわかるため、『視覚』と『繰り返し伝える』を意識しましょう」
③「エアコンをつけないとダメ」ではなく、「いつまでも元気でいてほしいからエアコンをつけてほしい」と伝える←(ポジティブ!に)
寺岡純子さん(看護師・主任ケアマネージャー)
「伝える人や伝え方も重要です。主治医やケアマネジャーさんやヘルパーさん、お孫さん の言うことは聞く傾向にあります」
「『エアコンをつけないとダメ』ではなく、『いつまでも元気でいてほしいから、エアコンをつけてほしい』といったポジティブなメッセージを伝えましょう」
