成虫は「特に悪さをしない」 しかし、幼虫は「繊維害虫」!

【画像③】成虫は悪さをしない

(東洋産業 大野竜徳さん)
「体は鱗片(りんぺん)という鱗に覆われていて、その模様がまだら模様です【画像③】。羽化して時間がたつと、鱗片が剥がれて黒っぽくなっていきます。成虫は特に悪さをすることなく、花粉や花の蜜を食べて生活しています」

「夏前に生まれた幼虫は夏、秋の間にたくさん餌を食べて成長し、冬を迎える今の寒い時期は4mmくらいのまるまるとした毛虫の姿で越冬して、暖かい春が来るのをじっと待っています」

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ヒメマルカツオブシムシは水分を必要とせず、飢餓にとても強い虫で、栄養が足りなければもう一年幼虫で生き残ろうとします。十分な栄養を取った幼虫は春になり暖かくなると身を守るためか、ぱかっと背中が割れた幼虫の皮かぶったまま蛹になり、羽化して成虫になって飛び立ちます」

「そして、恋をして子供を残す(あちこちに少しずつ固めて20~100個くらい)と、一仕事終えて明るい外へ飛び出し、花粉を食べてしばらく英気を養った後、また少し産卵して、夏を迎える前に一生を終えます。…この一生を私たちのおうちの中で過ごしていることがあります」

ー私たちの家の中で過ごすとなると、家の中のものを食べられるということですよね?

(大野さん)
「鰹節が好き、という名前が出てきましたが、幼虫が好きなものは乾燥した動物質です。おうちの中では、私たちやペットが落とした毛や皮膚、おうちに入り込んできた虫の死骸、こぼしたパンくずやお菓子の欠片などもせっせと食べてお掃除をしてくれています」

「私たちの体に寄生することもありません、まずは一安心ですね。けれど、この幼虫は私たちの服も食べてしまう『繊維害虫』という顔ももっています」