■「死の淵から還り、今思うこと」とは


(自殺を企図した男性)
「一人にならないこと、自分の話し相手、理解する人がいたら変わってくる」

(自殺を企図した男性)
「みんな楽に生きてないですもんね、辛いですよね、仕事してると。もう一回ちょっと頑張ってみようかなと」

(自殺を企図した女性)
「冷静になって考える、と『助けてくれる人もいるんだな』と分かったので、私も前向きに考えて生きたいと思います」

(茂幸雄さん)
「毎日楽しいことばっかりある筈がない。『苦は楽の種、楽は苦の種』。雨の日ばかりじゃないし、天気のいい日もある、それを見えなくなっている」

「死にたい人は誰もいない、生きたい人ばっかなんですって。生きたい人ばっかり」
■「2万1007人」という数字 1人でも減らしたい、という願いから
昨年1年間の自殺者数は2万1007人でした(警察庁調べ)。

2003年の3万4427人をピークに年々減少傾向にありますが、果たしてこれは喜ばしいことと言えるのか。この数字の中の一人一人それぞれが大切な命であり、家族がいて仲間がいて、それだけの悲しみがこの数字には籠められていると思います。
この取材でインタビューに答えてくださった、自殺を企図した3人の方は、当時の取材から10年近くたった今も、様々な紆余曲折がありながらも懸命に生きていらっしゃるとのことでした。
「必ず助けてくれる人がいる」。。。困難な局面に出遭ってしまったときに、少しでもこの記事のメッセージを思い出していただけたら幸いです。
■悩みを抱えている方は

もし、いま悩んでいるという方がいたら「まもろうよこころ」と検索してみてください。厚生労働省が相談窓口をまとめたホームページがあります。一人で抱え込まずに一度、相談してみてほしいと思います。