福井県、東尋坊。“命の番人” 茂幸雄さんのもとに1本の電話が入りました。

■東尋坊で日々繰り広げられる「生」と「死」命の攻防


スタッフからの通報。木立の中から見つかったのは、投げ捨てられたリュックでした。


(茂幸雄さん)
「うちのスタッフが朝巡回していたら、置いてあった。こんなところに置いてあるのがおかしい、ということで通報があって、いま中身を見たら東海地方の21歳の女性の免許証、かつ遺書ですね」


「『お父さん、お母さん、ごめんなさい、今まで有難う』って。家族に連絡しますわ」


「もしもし、○○さん?東尋坊で自殺防止活動をしている茂といいます。実は森の中にお嬢さんのバッグがあって、こりゃ大変だと思って探してます。どんな苦しみ?自殺の恐れあったんですか?」

「・・・学業の不振というだけで、精神的には何ともなかった?精神的には何ともないねぇ。。。」

■「まだ生きてる可能性はある、生きてる可能性はある」

分かる限りの情報をもとに、元刑事の茂さんは、スタッフとともにリュックの持ち主の捜索に当たります。

(茂幸雄さん)
「ほなこれ事務所持ってって。この(崖の)下みた?分かった」

ためらって茂みの中に隠れていてほしい。。。スタッフ総出で女子大学生を探します。



(茂幸雄さん)
「警察にも言ったで。そしたら『おととい地元の警察に家出届けを出した』って」


「おらん、おらん、まだ生きてる可能性はある、まだ生きてる可能性はある」

茂さんの古巣の警察署員も駆けつけ、捜索の協力にあたります。そして、茂さんの携帯電話が鳴りました。


(茂幸雄さん)
「いまこっち来るんやね、どのへんにいた?」


「いま40歳の男性に声を掛けて、『もうどうしようもないや』ってこっち向かっているって。。。」