熊本の問題や現状を独自目線で取材する「RKK深掘り調査班」。

今回は「公共施設の耐震化の差」についてです。

9月、総務省は「防災拠点となる公共施設等の耐震化推進状況」の調査結果を発表しました。この調査では、1981年の建築基準法改正に伴い導入された耐震基準を「満たしているか」などが問われています。

取材を進めると、耐震化に対する「自治体間格差」が見えてきました。

熊本県内全域では耐震率は97.5%

公共施設の耐震化はどこまで進んでいるのか。

県内の「防災拠点となる公共施設」は全部で2914棟。
そのうち「耐震性が不足する」施設は73棟。

ほとんどの自治体で耐震化が進んでいました。

耐震化率が「7割」に留まる産山村

一方、耐震化が「7割ほど」に留まっていたのが、人口およそ1400人の産山村(うぶやまむら)です。

産山村教育委員会 井 史生 事務局長「こちらが(産山村の)公民館の中で一番古い建物、『南部地区公民館』になります」

南部地区公民館は築45年。「耐震性が不足する」と国が公表した建物です。

記者「(名簿に)名前が書いてありますね」

井 事務局長「避難された方は名前と、災害対策本部のある村の役場に連絡を頂くようにしています」

この公民館は「緊急避難所」になっていて、去年も避難所として活用されました。

太陽光パネルや非常食などは備え付けられていますが…。

井 事務局長「大元となる耐震調査に手が付いていないという状況」

産山村には「防災拠点となる公共施設」11棟のうち、公民館3棟で耐震化ができていません。

産山村総務課 内柳有貴さん「村づくり、村の優先すべき課題がありますので、そっちに尽力しているところもあります。耐震化ができていないことに関しては、もどかしい」

村は施設の耐震化に向けた予算の確保について検討を続けています。

熊本市役所の本庁舎は建て替えの方針

その一方で、熊本市役所の本庁舎は国から“耐震性を満たす”と公表されています。

しかし熊本市は、熊本地震後の2017年度と2020年度の2度の耐震調査で“耐震性能はない”との判断がでたことから、庁舎を建て替える方針です。

想定を超える災害が全国で相次いで起こる中、県内の自治体も「住民にとって安心な場所を作ろう」と耐震化100パーセントを目指しています。

ただ、高額な費用をどのように工面するのか自治体間で差も出始めています。