家や店舗の一角を貸し出す「レンタルスペース」。時には「寺」や「野球場」などの意外な場所もあり、宴会や会議での利用以外にも、用途は多様化しているようです。今回、その実態を取材しました。

間借りして開業した洋食店

熊本県菊池市旭志(きょくし)にある“青いコンテナハウス”。

ここで8月から営業を始めたのは『洋食 炎陣(えんじん)』。料金によって品数が変わる「コース料理」で、フレンチを取り入れた洋食を提供しています。

そんなこだわりの料理が頂ける松枝さんの店は【平日4日間、月~木曜日だけ】が営業日です。(※週によっては異なるそう)

ーーー理由は?
松枝さん「僕がちょっと間借りで借りていて」

実はこのコンテナハウス、週の前半は松枝さんの洋食店。週の後半はコンテナハウスの所有者が“自家焙煎珈琲の販売や提供”を行う『ハングアウト』という店なんです。

“日時によって空くスペース”があると知った松枝さんが、自ら所有者にアプローチして開業が実現しました。

松枝さん「イチから店を始めるとたぶん数千万円行くところを、初期費用をぐっと抑えることができて、実際自分がやりたかった料理を提供できるスペース」

松枝さんは夢を実現する手段として“間借り”を選択しました。

様々な用途で求められている「空きスペース」。
その利用者は増加し、活用方法は進化しています。

利用者は“5年で30倍”にも増加

全国各地の「空きスペース」と「利用者」を、インターネット上でマッチング。貸し借りが簡単にできるサービスを提供する『スペースマーケット』に話を伺いました。

スペースマーケット 檜山良太 ホストマネージャー「今あるものをどんどん有効活用していこうというのが、若い人を中心に世の中に浸透してきている。全国的に利用もどんどん増えてくると」

『スペースマーケット』によると、熊本の空きスペース利用者の数は“この5年間で30倍にも増加”。

檜山さん「飲食店だと、ママ会などの集まりの時に、子どもたちが走り回ってしまうなどで開催しにくいと思うのですが、レンタルスペースなら気にせず、時間をゆっくり使うことができる」

しかも物件のタイプが多様化していて、広々とした「映画館」や「寺」、「自宅の一室」を提供する貸し手もいます。

いったいどんな用途で利用されているのでしょうか?