夏の高校野球、熊本大会が開幕しました。
九州王者として臨む、第2シードの「有明高校」は機動力が武器。部員の50m走の平均タイムが大幅に速くなったその秘密に迫りました。
春の熊本大会、それに続く九州大会も制し、創部26年目で初めての甲子園出場に期待が高まる、有明。

今年のチームは「走って、走って、走る」機動力が武器です。

九州大会3盗塁 村田雅道選手(3年)「チーム全体としてこの冬走力アップを目標にやってきたので、足には自信を持っています」

盗塁の数は、春の熊本大会、6試合で21個。成功率は8割超え、九州大会でも4試合で13個と成功率は7割を超え、相手にとって脅威となっています。

俊足揃いの選手たち。しかし、話を聞いてみると・・・
春県大会5盗塁 足立翔太選手(2年)「もともとちょっと遅くてトレーニングを始めてそこから速くなりました。0.5秒くらい」

去年、そのトレーニングを伝授したのが、現在は新潟県の高校の野球部で指導する野澤和希(のざわ かずき)教諭です。

プロ野球・Jリーグなどプロのアスリートも走り方を学ぶ「走りの学校」でアシストインストラクターに認定されている野澤さん。

新潟・新発田中央高校 野澤和希 教諭「膝まっすぐ、つま先上、膝は股関節の高さ、作ってみて右足から」

去年11月、有明高校を2日間訪れ、スプリントトレーニングを指導しました。
野澤教諭「ランニングとスプリントの違い。脚をしっかり回して使うというところを習慣つけようと、腸腰筋を鍛える目的です」

足立翔太選手(2年)「すり足というか、足があまり上がらなくて、盗塁もあまりできなくて、でもトレーニングをして足の上がり方も高く上がるようになりました」

村田選手(3年)「アップというよりかはトレーニングだと思ってやっています」
毎月の計測データは、互いが競争意識を持つように一覧にして貼り出されます。

50m走の部員平均タイムは、トレーニング開始直後の11月末と今年5月末を比べると『0秒47』速くなりました。

野澤教諭「3年くらいでこれくらいいくかなと思っていたタイムが、この期間(半年)で出てしまって劇的に伸びていると思います」

九州大会決勝では1塁ランナーの足立選手に牽制を1回、2回、3回。4回目で一度飛び出してしまうも3塁ランナーがおとりになりオールセーフ。
5回、6回牽制を受けながらスタートを切り、盗塁を成功させた場面もありました。

足立選手(2年)「(2・3塁にして2塁ランナーのぼくが)1本で還って来られるようにしたかったので、走って行こうと思っていました」

夏の大会は、相手チームからの警戒が今まで以上に厳しくなるはずですが、野澤さんは「有明は有利」だといいます。
野澤教諭「『いつ走ってくるんだこいつらは?』と、相手チームは常にびくびくしながら野球をしないといけないので、春の大会は良い布石になったのではないかと思います。熊本の他の高校や子どもたちをビックリさせるような走塁をしてほしいと期待しています」

初の甲子園出場へ。有明ナインが足で試合をかき回します。

足立選手(2年)「自分は走って流れを変える役目だと思っているので
そこでしっかり走ることが目標かなと思います」

村田選手(3年)「自分たちの目標は『夏』勝つことなので、走るところは走っていければと思います」

第2シードの有明は大会7日目、第一高校と戦います









